パニック速報

The next stage is paradise…

昼休みとマクド60秒チャレンジ

僕は平日の昼休みが億劫で仕方がない

トイレで飯を食べるか、トイレが満員の場合は猿たちが馬鹿みたいに騒いでいる食堂で食べなければならない
それが嫌でマクドやはなまるで昼飯を食べることもある
マクドでは「チキンクリプスで(噛み噛み」と言い、
はなまるでは「かけ小で(メガネクイッ」と言う

僕にとって昼飯は腹を満たすだけの行為に過ぎない
午後にはまた憂鬱な講義が始まるというのに、美味しいものをゆっくり食べようなどという気はさらさらない
そしてそんな行為に金はかけたくないのだ

講義が朝から夜までという日はかけ小(\105)が中(\210)になるか
キチンクプリス(\100)にバンハーガー(\100)が追加されるくらいだ
そんな僕にとってマクドの60秒チャレンジは魅力的だった
僕は父のために何とか無料券は勝ち取ろうとした

をたくくんの「塩抜きおいもさん」とともにネットでよく見るのが
「ハンバーガー塩コショウ抜き」だ
原理は塩抜きと同じ
通常用意されているパテはあらかじめ塩コショウがかかっている
塩コショウ抜きにするには新しいパテを焼くところから作らなければならないため時間がかかる

僕は抜く直前のおかずを選定するような鋭い目付きでマクドへ向かう
カウンターで愛想笑いの店員が答える「お待たせしました!」
僕は決意を込めた表情とともに落ち着いてその口を開く

バンクーバーくだしゃい!コポォ塩コショウ抜ぎで!」

誰が見てもはきはきとした爽やかな好青年である
何とかこちらの注文を把握した店員は砂時計に手をかけようとして一言


「こちらの注文は少々お時間を頂きますので、ハンバーガー無料券を差し上げます」

大勝利した淫夢くんのBGMが僕の胸に響いた
をたくくんは性交法ではないと、NI中のこっそりきのこだと言っていたが
僕にとっては勝てば官軍だ
どんなに醜くたって勝てばいいのである
3分少々待たされたが、昼休みなんて昼飯を食べるかシコるくらいしかやることはないのでまったく問題はない

僕は見事ハンバーガー無料券を手にしたのである
元手が\100(画像は2つ買っているけど)で\320のビッグマクドがもらえる無料券を手にしたという事実に震える

まさに錬金術、金のなる木である
一食分のお金で二食分手に入る
こんな美味しい話(二重の意味で)がこの世にあったなんて・・・
この無料券でハンバーガー塩コショウ抜きを頼めば人類初の永久機関の出来上がりである

ちなみにおいもさん塩抜きではこうはいかない
最低でも\210かかるので、あまりお得感がない
さらに塩抜きは美味しくない
ハンバーガー塩コショウ抜きはたいして味が変わらないのだ
ハンバーガーなぞ最初からダンボールのような肉とケチャップの味しかしない




大勝利に終わったかと思われたマクド60秒チャレンジだが
この話には後日談がある

その3日後に意気揚々とマクドに行く
もちろん目当ては無料券を得るためのハンバーガー塩コショウ抜きだ

今日も愛想笑いの店員に迷いなく告げる
「ハンバーガー、ドプ塩コショウ抜きで」
決まった
完全に決まった
他の客もすべて虜にするような惚れ惚れする注文だ

「申し訳ございません。こちらは特別な注文となりますので、
お時間かかりますが、60秒チャレンジの対象外となります。
コーヒー無料券を差し上げます」

店員は確かにそう返した
言っている意味がわからなかった
目の前が真っ白になる
拳銃を奪われて一転攻勢されたTNOKもこんな気分だったのだろうか
僕は絶望感に打ちひしがれた
どうやらあまりにも乞食が塩抜きだの塩コショウ抜きだの宣うので
3日のうちに対策がなされたようだ

コーヒーの味は好きだ
しかし、コーヒーを飲むとカフェインの利尿作用で射精が止まらなくなるしばらくの間頻尿になる
だからコーヒー無料券は心底いらないのだ

完全敗北である
僕はトイレで塩コショウ抜きのハンバーガーを泣きながら食べた


僕「・・・ということがあったんだ」
僕が興奮気味に話す
A「おまえ誰?」
B「何年?どこの学部?」
と友達にも好評の笑い話であった