パニック速報

The next stage is paradise…

中学の時、クラスのあいつとアイツが付き合ってるって聞いた。

中学の時、クラスのあいつとアイツが付き合ってるって聞いた。

でも、そういうのは一部の奴らだけで、「普通のやつら」にはまだ早い物だと思っていた。

高校になると、中学で大人しかった子が派手になっていた。5人とセックス経験をしたんだって聞いた。

スポーツしかしてなかった野球部のキャプテンや、勉強のイメージしかないグループの子も初体験を済ませたらしい。

でも学生で「セックス」なんて、「普通じゃないやつら」がしているもので、 「普通のやつら」には関係ない話だと思った。

大学になると、同じサークルの先輩が彼女と同棲してるなんて話を聞いた。 大学生になればほとんどの大学生は一人暮らしを始めている。 その部屋に彼女が出入りすることなんてあり得ない話ではない。 やっぱり、たまたまそういうカップルもいるんだろうな、という感想だ。

この時は、同じ大学どころか、日本全国、世界のほとんどの大学生が、 その頃にはいくつかの恋愛をしたり、誰かとのセックスを経験していることには気付けなかった。

というより考える必要がなかった。だって、俺を「好き」だと言ってくれる「誰か」を待っていたんだから。

社会人になり、会社のやつが結婚するって聞いた。 妊娠して会社を辞めた女もいた。でもやっぱり、それはそいつらの話だ。

俺がカードゲームや野球の試合が好きなように、 そういうテレビに出てくるような流行りとか、恋愛に詳しい奴らはいる。そういう奴らはうまいことやってるんだろう。

でも俺には誰も声をかけてこないし、まだ「そういう時期じゃない」。 これが「普通」だろう。

こうしてる間にも、同年代やその下の世代の人間ですら、少しずつ恋愛経験を積み、 恋人と休日や夜を過ごし、精神的に充足し、情報や感情をアップデートし人間的に成長している。

それは人間が生まれてきた意味でもある。人問に限らず生き物の生まれた理由は子孫繁栄だからだ。 そのバトンタッチを先代から任されて今を生きている。

社会生活なんてのは後から出来た文化で、人類繁栄という主題からしたらおまけの話だ。 セックスと子作りをしながら社会生活に参加しているやつは器用だし人間として正しいレールを歩いている。

俺のゲームのレベルが上がったところで、それは生物の視点から見れば何もないのと同じだ。

でも俺だっていつかやる。 いつかはわからないけど。あいつらと同じようにやってみせる。じいちゃんや父さんだってそうだったように。

「セックス」なんて2次元の中やAVの中でしか見たことも感じたこともなかった。 傍目にはタブー視されてるからそういうもんだと従ってきた。

でも今はわかる。おかしいのは「俺」なんだと。

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これスゲー